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阿形さんと、商店街へ歩くこと10分。
見慣れたあの景色は無く、瓦礫や建物が
あった痕跡しかなかった。
「これ…夢の中とかじゃないですよね…」
こんなことが起こるなんてとても現実と
は思えない。この状況を受け入れるなん
て馬鹿な私には出来ない。
「それは無いと思う。ほら」
ピッと阿形さんが私のおでこにデコピン
をする。
「ぴぎゃっ」
変な声が出てしまった。
阿形さんは笑った。
「な?これでも覚めねーんだ。夢じゃないってことだ」
ケラケラ笑いながら阿形さんは言う。
この人はなんでこんなに笑っていられる
のだろうか。

