「……阿形さん?」


「おぉ、記憶は失ってないみたいだな。

よかった」


阿形さんは私のマンションの隣に住んで

いる、大学生だ。

優しく、かなり頭が良いらしい。


「ここは……一体?」



周りには私と阿形さん以外の人は誰もい

なかった。

「それが、よくわからないんだ。可能性

として、ここがさっきまでの東京で俺た

ちが住んでいたマンションだった所なら

…俺たちだけがここにいるのは何故だ?」


阿形さんはペラペラと自己解釈を述べは

じめた。さすが、頭が良い。