課長が私に恋してる?




「おじゃまします」



瞼を上げて、如月は琴子に言うよりも早く妹の写真に向かってその台詞を言ったかと思うと、靴を脱いで野菜の袋を持ったままずんずんと部屋を進んでいく。



「ちょ、課長!妹よりまず私に許可取って下さい!」



もー!と怒って、慌てて如月の後を追うと、すでに如月はキッチンでテキパキと野菜を並べている。



「今日は何を作るんだ?」



そう聞いてくる姿もなんだか小慣れているようにしか見えない。



(………本当に料理苦手なのかなあ…)



そのまま如月の横に並んで、料理を作り始めた琴子はじきに自分の今感じた予感が間違ってなかったことに気づくのだった。