真夜中のパレード


 
  ☆



朝食は近くのカフェで食べることにした。


透子と上条はそれぞれトレイにパンを取り、
コーヒーとカフェオレを注文して席に座った。


テラスの向こうでは太陽に照らされた木々が輝いていた。


今日は昨日の雨が嘘だったように、
過ごしやすいいい天気だった。


上条もほっとしたように外を眺める。



「今日は晴れてますね」

「そうですねぇ」


コーヒーを飲みながら提案した。


「近くの公園で散歩でもしますか?」


「公園ですか?」



その問いかけに笑顔で頷く。


「えぇ、観光名所になってるような
けっこう広くてきれいな所が近くにあるんです。

今の季節だとあんまり花とかは咲いてないんですけど」


「はいっ、行きたいです!」


彼と一緒なら、きっとどこに行っても楽しいと思った。



それから店を出て、自然に手を繋ぐ。


大きな手が自分を誘導し、
速度を落として歩いてくれていることが嬉しい。