「いいんだ、冬馬にもしばらく会えなくなる……と思うし」
冬馬の鋭い瞳が、更に強い光を帯びる。
「どういう意味だ?」
透子は彼にも決意したことを打ち明けようと思い、
椅子に置いてあった紙袋を取り上げ冬馬に差し出した。
「なんだよ、これ」
透子は少しかたい笑顔を作る。
「ありがとう、色々」
冬馬はぶすっとした顔で中身を覗きこむ。
「……いらねぇよ。元から捨てるつもりだったし」
「そうだよね。なんか、勝手に処分するのもどうかと思って」
「帰りにコンビニのゴミ箱にでも捨てておけよ」
「うん」
冬馬は紙袋を椅子に放り投げた。
中に入っていたのは、以前彼女に渡した長い髪のかつら。
それに、擬態用に使う化粧道具もすべて入っていた。
「今まで本当にありがとう。
でももう、使わないことにするね」
「……何で」
「上条さんにバレた」
「は?」

