そう問い詰めると、
上条は少し横に顔をそらした。
「……お前のことが」
「え?」
上条自身も、自分に確かめるように
ゆっくりと呟く。
「自分でもおかしいと思う。
彼女のことが誰よりも好きだと思った。
きっとこんな愛しい人には、もう会えないだろうと。
その考えは、今も変わってない」
それから上条の真っ直ぐな視線が、透子を貫いた。
「だけど何をしていても、
七瀬のことが頭から離れない」
「……私、が?」
上条さんの、好きな人って。
「まだ、俺だって確信が持てない。
……だけど、七瀬に惹かれてる」
信じられなくて、足がふらふらする。
「何をしても、どこにいても、
気がついたらお前のことを考えている。
熱に浮かされたみたいに」
透子は混乱しながら、
必死に口を動かした。
「やめてください!
そんなこと、あなたに言われたくないです!」

