真夜中のパレード



「ん」


そこまで考えた所で、

自分のいる場所が実家ではなく
眠っているのも暗い居間だと分かり、

現実に引き戻される。



「あ……」


頬を冷たい物が流れていった。




もう私は子供じゃない。



もう、いつも助けてくれた母もいない。



母がもうこの世にいないことを改めて思い知ると、
寂しさがこみ上げてきた。



床に転がっていたから、
身体の節々が痛む。



――これからは、誰にも頼らず
一人きりで生きていかないといけないんだ。



透子は床に寝たまま、
手にひらを上に伸してみる。



そうすると、
軽く笑いが漏れた。



「ははっ」



一人きりで、なんて。



「……私あの時から、何も変わってないんだなぁ」




生きていけるのだろうか。




考えれば考えるほど、

暗い絶望の淵に追い詰められていくようだった。




『擬態』を初めて作った時は、
新しい自分になれるような気がした。



真新しいスーツに腕を通し、
少し高いヒールの靴をはいて、
一人前の大人になった気になった。



一人でだって、大丈夫だと、
期待に胸を膨らませていた。







――もうそんな自信、どこにもない。