「みんな、私がやったっていうの。
そんなこと、してないのに。
私が盗ったのを、見た人がいるって言うの」
話せば話すほど、
声は上擦り唇が震えた。
「私っ……私は、そんなことっ……!」
腕でごしごしと目蓋を擦ると、
あたたかい手のひらが頭を撫でてくれた。
「透子は優しい子だから。
そんなことをしてないのは、お母さんが知ってるよ」
母親の優しい笑顔を見た瞬間、
堰を切ったように我慢していた思いがあふれる。
何も思い通りにならない。
「お母さん、私また友達出来なかったよ!」
いつも、いつも、言いたいことは何も言えない。
「五年生になって新しいクラスになっても、
友達出来なかったよ!」
母親の膝に頭を埋め、
か細い声で叫びながら泣きじゃくる。
「最初はみんな仲良くしてくれるけど、
だんだん嫌われちゃうの!
透子とは、誰も話してくれなくなるの!」
苦しい。
思い描いた自分には、
いつも手が届かなくて。
「もう嫌だよ!
透子、学校なんか行きたくないよ!
どうして透子はいつも一人になるの!?」

