透子は泣きはらした目を擦る。
気がつくと
雲間から朝日が射し、
外は明るくなってきていた。
自分と上条は一体どのくらいの間ここにいたのか。
泣いている間
ひたすら無言で自分の泣き言を聞いてくれた彼の優しさに、
ぎゅっと胸がしめつけられる。
……本当に、とんでもない迷惑をかけてしまった。
それにただの部下に、ここまでしてくれるなんて。
冷静になると透子は急に申し訳なくなって、
大泣きしているのも恥ずかしくなって、
ごしごし涙を拭った。
「みっともないところを
お見せしてしまいました」
透子が無理に笑顔を作ると、
上条は透子の顔を見ずにあっさりと答える。
「お前がみっともないなんて、いつものことだ。
今さら気にする必要もないだろう」
透子は眉をさげ、
上条に深く頭を下げた。
「上条さん、ありがとうございました」

