それと同時に、冬馬の態度に用心していた。



だんだん口調がくだけてきて、
失礼なことを言うようになってきた。

本性を現しつつあるのかもしれない。


まだ更なる最終形態が残っているかもしれない。


上条はごくりと喉を鳴らして警戒した。


というか、いい加減家に帰りたいのだが。


冬馬は明るい口調で、へらへら笑いながら
語りだす。


「職業柄女優やらモデルもよく見るけど、
整形の女って、見るやつが見たらすぐ分かるぜ」


「そういうものか?」

冬馬はグラスをまわし、
カラカラと氷を鳴らす。

いつの間にかビールからマッカランのロックに
移行していたようだ。


「昔の質の悪いシリコンを鼻に入れたりすると、
ブラックライトで浮かび上がったりな。

はは、最近はさすがにないし、
都市伝説みたいなもんだけど」


「……そうか」


上条ににっこりと笑いかけ、
冬馬は穏やかな口調で問いかけた。



「もし整形だったら、別れてたって?」