透子は気の毒そうに眉をしかめた。
「……冬馬、そんなことばっかり言ってるとそのうち本当に捕まっちゃうよ?」
「捕まるようなことはしねーよ!
そんなやばいことじゃなくて楽しいことだよ」
透子は形のいい眉を歪ませ、いぶかしげに尋ねた。
「楽しい?」
「お前、その顔であいつに会ってこいよ」
途端、透子はぶんぶんと首を振って拒否した。
「む、無理に決まってるでしょう!
それにそんなことしてどうするの!?」
「お前が声かけて喜ばない男なんていないぜ。
ちょっとからかってやれよ」
「何言ってるの!?」
「実際、おもしろそうだと思わねぇか?」
言われて透子も想像してみる。
自分が上条に声をかけたら、どんな反応を示すだろうか。
そして想像力を全力で働かせてみた結果、出た答えは。

