けれど、
「新人なんだから先輩の補佐をするのは当たり前でしょ。
入ったばかりなんだからあなたに仕事を
選ぶ権利なんてないのよ」
と一蹴されてしまった。
その後も時々透子は木本に仕事を押し付けられた。
木本があまりに自然な態度なので、
きっとそういうものなんだろうと考えていたけれど、
こうやって表に出ればやはり問題になる行為だったらしい。
上条の表情はいつもより更に厳しい。
「……左遷になるかもしれないな」
ぼそっと呟いた上条に、
透子はびくっと大きく震えた。
「私、違う支部に行くことになるんでしょうか?」
上条はあっさり言い切った。
「いや、七瀬じゃなくて木本が」
「えぇっ!?」
透子は責任を感じ、上条に頭を下げた。
「本当にすみません。
私、そんなに重大なこととは思っていなくて。
いつも請け負うのと同じような仕事で、
私がするのが普通だと思っていたので」
それからちらりと上条の顔を見上げた。
「よくなかった、ですか?」

