冬馬は興味がなさそうにジョッキの残りを流し込む。
「飲み会だろ?」
「でも、上司との飲み会って落ち着けないと思うよ?」
「そりゃそうか。サラリーマンはご苦労なこった」
それから冬馬はじっと上条に視線を投げる。
「なぁ、今日お前のこと叱ったって言ってたの、あいつか?」
「え? うん、そうだけど」
彼はいかにも悪巧みをしている、という表情を作った。
「……いいこと考えた」
透子の顔に不安がよぎる。
「冬馬のいいことって、いいことだった試しがないよね」
それを無視して会話を進める。
「あいつに復讐したくねぇ?」

