木本は怪訝そうに 上条を見上げる。 「はい? 何でしょうか、課長」 上条は何とか怒りを押さえているという面持ちで、 木本を外に連れだした。 「話がある。ちょっと来てくれ」 木本は不満気な顔をしながら、しぶしぶ頷いた。 「……はい」 そして去り際、透子を思い切り睨みつけた。 透子は何が起こったのか分からず、 ただはらはらしながら事の顛末を見守っていた。