☆
上条は申し訳無さそうに、
半ば放心したような顔でベッドに座っている透子に
声をかける。
「……すみません。
無理をさせてしまって」
恥ずかしすぎて、彼の顔をまともに見られなかった。
俯いてゆるゆると首を振った。
「い、いえっ!」
それから布団を握りしめ、
消えるような小さな声で問いかけた。
「あ、あの、私こそ。
シーツ、あの……」
透子の言いたいことを察して、
上条は薄く笑った。
「気にしないでください」
鮮血が数滴流れ、真っ白なシーツを赤く染めていた。
それを見るとさっきの行為が夢でなかったのが
証明されたようで、
更に消え入りたい気持ちになった。
上条が紅茶の入ったカップを差し出してくれる。
「あ、ありがとうございます」
「身体、大丈夫ですか?」
「はい、平気です」

