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上条は申し訳無さそうに、
半ば放心したような顔でベッドに座っている透子に
声をかける。


「……すみません。
無理をさせてしまって」


恥ずかしすぎて、彼の顔をまともに見られなかった。

俯いてゆるゆると首を振った。


「い、いえっ!」


それから布団を握りしめ、
消えるような小さな声で問いかけた。



「あ、あの、私こそ。
シーツ、あの……」


透子の言いたいことを察して、
上条は薄く笑った。


「気にしないでください」


鮮血が数滴流れ、真っ白なシーツを赤く染めていた。



それを見るとさっきの行為が夢でなかったのが
証明されたようで、
更に消え入りたい気持ちになった。



上条が紅茶の入ったカップを差し出してくれる。


「あ、ありがとうございます」


「身体、大丈夫ですか?」


「はい、平気です」