真夜中のパレード



  ☆



そのまま崩れるように床に折り重なった。


「天音さん」


上条は優しく目を細め、
細くやわらかい彼女の手を取った。



「あ……」


こういうことに慣れていないのだろう。

首筋に口づけを落とすと、
その度に小さな肩がぴくりと小さく震える。


そんな仕草でさえも愛おしいと思う。


彼女をベッドに座らせ、
透子のブラウスのボタンを開きながら
途中で迷ったように手を止める。



緊張したように身体を硬くしながら、
必死に受け入れようとしている。


その姿を見て、どうしても罪悪感が生まれた。


「……やっぱりやめましょう」

「え?」


透子の眉が不安そうに下がる。


「どうしてですか?」


「こんな風だと、
まるで弱みにつけこんでいるみたいで」


すると透子はきっぱりと否定した。


「そんなこと、ないです」



それから細い指が、上条の手のひらをそっと導く。



小さな手は震えていた。
けれど、彼女の意思は堅いようだった。


「お願いです。
……続けてください」


「だけど」


透子は上条の手を握りしめる。