温かい。 抱きしめた彼の肌が温かくて、優しくて、 声が震える。 「どうして、そんなに優しいんですか?」 ……今さら、私を信じてなんて。 まだ、あなたの側にいたいなんて。 本当はそう思うことすら、許されないはずなのに。 上条も泣きそうに顔を歪め、それでも笑って言った。 「あなたが好きだからです」