「あなたは、どうして」
「え?」
「どうしてそういうかわいいことを言うんですか?
他の女性なら、わざとやってるのかと疑いたくなりますけど」
率直な言葉に、返事が出来ない。
黙って彼を見上げていると、彼は困ったように目尻を下げた。
「でもそういうことを計算しないで言える人だから、
私はあなたが好きなんでしょうね」
透子は何も言わずに、
ただ彼の顔を見つめていた。
「女友達なんて、いません」
「は、い」
「だから、心配しないでください」
彼の言葉が身体中に染み渡っていく。
「あなただけですから。
私が心から愛しいと思うのは、あなただけです」
透子は彼の顔に唇を近づけ、ささやくように呟いた。
「……それじゃあ、もう怒ってないですか?」

