私はあなたになりたい【短編】

「子供扱いされても、順さんが好きなん…」

ふさぐように、順さんが私にキスをした。

……順、さん?

唇が離れた。

順さんは照れくさそうに、顔を紅くしていた。

「……俺も春ちゃん――春菜のことが、好きだった」

今度は私が目を見開く。

「でも、こんなおっさんを、春ちゃんは好きになってくれないと思った。

けど、どうしても振り向かせたくて、子供扱いばかりしていた」

言い過ぎたと言うように、順さんが手で口をおおった。