「ニャー」

鳴き声が聞こえた。

順さんの足元には、灰色の子猫。

赤い首輪をしていた。

彼の飼い猫だ。

「おっ、ミーコ」

順さんが子猫を抱き上げる。

くすぐるように、子猫の首をなでる順さんの大きな手。

子猫は嬉しそうに、喉を鳴らす。

「嬉しいか?」

順さんが子猫に話しかける。

何で猫に対してはこんなデレデレなんだろ。

私には、子供扱いばっかしてるのに。

でも、子猫とイチャイチャしてる順さんを見ていると、思うんだ。

私はあなたになりたい。