白龍と黒龍


胡桃side

はじめまして。 早瀬 胡桃です。

白龍総長やってます。 通り名は白猫。

昨日の式、まじで最悪だったなあ。
なんで結兄があたしを白龍総長にしたのか
不明。
琉唯だってあたしより弱いけど、結構強いのに。

にしても、黒龍総長のあいつ。
新城 隼斗。通称 黒狼 black wolf って呼ばれているらしい。
絶対俺様だな。
まあ、顔はカッコよかったけど...
コーヒー色の髪に色素のうすい茶色い瞳
身長も高かったし、結兄と争えるくらい
かっこいい人って初めての見たかも。

でも、警戒度№1。 なぜなら、男だから。
人って信用できない。 裏切り、裏切り返し
分からなくなる。
だから、信用しない。特に男は。
決めたの。

男だけには頼らないって。


隼斗side

ねみぃーー...。
昨日の式のせいで寝不足。
学校も一応来ただけ...

午後の授業が始まるまで寝とこっかな。
いつもねている大きな木の側まできた俺。

カサカサ 降ってきたのは落ち葉。
風なんかないのにとおもって上を見上げると、地面から5㍍はある細い枝の先にいる猫と女が見えた。

「はぁっっ?!?!」

思わずデカイ声をあげてしまった。

「え?? あっ!!」

俺の声に驚いたのか女が声をあげた瞬間
バキッ!!!! 枝がおれてーーーーーー...

…………。

「ってぇ。ん…なんなんだよ…」

「大丈夫か。お前。」

女が聞いてきた…「大丈…「お前じゃない。」
にゃーーっと猫の鳴き声が俺の頭の上で
聞こえた。
なんだよ猫かよ。と思って女を見ると
白龍総長のあの女!!!!

「おまっ!!」

「よかった。無事で」

昨日の態度からは考えられないほど優しい声で微笑んだ。
ドクン…
え…??ドクンってなんだよ俺。

「なぁ、お前さいい加減降りてくんね?」

女が乗ってたのは俺の腹の辺り。

「あ。 ごめっ…?? あんた…黒龍の…」

「お前もな...つうかバカじゃねーの?
怪我したらどーするわけ??」

「え。 猫,助けたのにあたし怒られてんの?
あたし。 」

「重い。」

そう言って女を持ち上げると軽いのなんの
こいつご飯食ってんのか??
ってほど軽い。

「さわんな。 自分で立てる。」