白龍と黒龍


辞書で『女の子』と引いたら出てきそうな
プロフィール。
女の子なら1度でいいから MOA になりたいなって思うはず。
そんな人があたしの大事なお兄ちゃんの
彼女さん… お兄ちゃんの選んだ人。
あたしはお兄ちゃんを呼び出した…

「くぅ?? 何? 疲れたか??」

優しく訪ねてくれるお兄ちゃん…

「あ…のさ…萌愛さんの事。」

『萌愛さん』あたしが口に出した瞬間、
ちょっとだけひきつった顔をした…

「あたし、結兄はあたしの側にいてくれて
あたしを守ってくれて、あたしを抱きし
めてくれる…ずっとずっとそうしてくれ
るって思ってた。」

あたしがそう言うと下を向く結翔…

「あの日をなんであたしが忘られないか
わかる??」

今にも泣きそうなお兄ちゃん…

「それは…確かに怖かったっていうのも
ある…けど!! 初めて、結翔をお兄ちゃん
て呼んだ日でもあるから。
お兄ちゃんがあの日の事を自分のせい
だって、ずっとそう思ってあたしのため
にお兄ちゃんはさ自分よりあたしを
優先させてきた…お兄ちゃんに彼女が
できたって…琉唯から聞いて…また…
裏切られるんだってそうおもったの…
でも、時間どうりに、あたしが1人に
ならないようにしてくれた…だからさ
もお手、はなそっか」