なんだろ…いたい。いたい。
あたしは胸元のシャツを握り締めた。
隼斗side
エレナのせいでくるみがどっか行った。
「てめぇ、まじでうぜえのな。」
エレナに当たる…つか何でイライラしてんだ?俺。
「えぇ?? エレナは隼斗といたいのぉ。」
エレナが腕を絡めてくる。
「俺…くるみんとこいってくる」
そう告げるとくるみを探しに向かった。
「早瀬 胡桃ちゃん。lock on ♪」
胡桃side
はぁ…なんでだろ…隼斗に会いたいな…
ガチャッ
「いた。」
振り返るとそこにいたのは隼斗だった。
「何怒ってんの??」
「べつに…」
「嘘。お前さぁわかり易いんだよな。
いつもそうじゃん?思ってる事と逆の事
口に出してる。」
隼斗があたしの頭を撫でる…
気持ちいい…隼斗が頭を撫でると眠くなる。
「結兄にもそれ言われた…」
「つうか…俺は怖くないのか??」
隼斗が訪ねてくる。
きっと大概の男ご嫌いなあたしがなんで俺
には大丈夫なんだって意味。
「知るか。」
「おい…」
「でも…お兄ちゃんに似てる」
「さっきも言ってたなそれ。ブラコンだよ
な、お前ら。」
「隼斗? あたしのわがまま聞いてよ」
「はぁ? いいけど。内容による」
あたしはゆっくり…話し始めた…
「きっと…お兄ちゃんはもうすぐあたしだけ
のお兄ちゃんじゃなくなる。
萌愛さんのものになる…気づいてた。
最近のお兄ちゃんはあたしより萌愛さん
のことが大切だって。お兄ちゃん、あたし
が泣くと辛そうな顔するの…
あたしのせいでお兄ちゃんの幸せを崩し
てる…だから…あたしを助けてよ。」
隼斗side
くるみ… 結さんも同じこといってたぞ…??
『俺さ今まで、くぅを守れなかった事を
ずっと後悔して、くぅには俺しかいない
ってそうおもってやってきた…でもさ
俺、今すげぇ守りたい人ができたわけ。
くぅは大切。俺の妹だから。だから…
頼みてぇのよ。くぅのこと。くぅの事を
できることなら抱きしめてあげてぇ
けど、俺じゃないだろそれって。』
結さん…萌愛が1番大切で…くるみも大切。
でも、くるみに俺が出来る事は限られてるってことだろ? なら、俺がなってやるよ
くるみの大切な人に…

