__ドカァァン!

「…っ!?」

「なに、何があったの?」

「キャァァァっ!!」

「倒れてくる!!」

「センターズタワーが…」

大きな爆発音に、歓喜の叫びはかき消された。

会場が設置されていたセンターズタワーはメキメキと音を立てて崩れていく。

窓ガラスは割れ、透き通った雨が観客の頭上に降り注いだ。


会場はパニック。

逃げようにもこの混雑。

どんなに走ろうとしても走れない。

そればかりか、誰かが躓いたのか、人がドミノ状に次々と倒れていく。

初めに倒れた人を責めることもできない。

ドミノの進行方向にいる人は慌てて避けるが、また一人躓く。

ドミノは、二本に増えた。

くねくねと曲がりくねり、もうこちらに来ないことを祈るしかない。

人は人の下敷きになり、その人の下敷きに人がまたなる。


歓喜の叫びは一瞬にして怒号と救助を求める声に塗り替えられた。