◇数日前◇
「でかいな…」
ガラス張りの展望台。
白い本体。
そして、空にそびえたつその高さはこの国一番らしい。
彼はその展望台を"正面"に捉えて、両足を前につき出した。
___バリィィンッ!
「「キャァァァッッッ!!!」」
「ウワァァァッッッ」
「ウワァァン!おかあさーん怖いよ、怖いよぉぉぉぉぉ!!」
なき叫んで通路にたっていた子供は猪のごとく走る大人たちに踏み潰された。
「…ご愁傷さま(笑)」
全員が通ったあとには、ぐしゃりと鼻が曲がって顔の空洞からドクドクと涙を流す死体があった。
「超残忍じゃん(笑)」
ほくそえんだ彼はガラス窓から外を見た。
「…」
ウツクシイ。
そういうんだろう。きっと。
甘い香りに誘われて、彼は群衆の方へ向かった。


