「!!!」

目を見開いてシンは姿を消した。


「はぁ、はぁ、はぁ…」

苦しそうに息を乱す吸血鬼。

ついさっきまで彼に向けられたそれは、血肉となって水たまりを作っていた。

「酷いな…シン様…」

ごぼごぼと咳こんでどさりと倒れ、彼は笑った。


「俺の、勝ちですよ…?」

ずたずたに切り裂かれた金髪が、さらりと宙を舞った。


「敵は、もういない…」

彼は勝利をかみしめて、自身の肌にちりばめられた赤をぺろりとなめとった。