「わぁぁん!!」

「怖いよう恐いよう!!」

「……」

桃とモモは、泣いていた。

大体、目の前にいる吸血鬼がじっと見つめているのだ。

怖がるなというほうが無理。


「うるせぇ、餓鬼ども。殺すぞ」

それならなぜ捕えたのだ、ということだが、特に理由はないらしい。

「「うぅ…」」

ぽろぽろ泣きながらも必死で声をこらえる二人。

彼は興味深そうに相変わらずじいっと見つめていた。

「瓜二つだ…」

何をしているかって?

間違い探し。

「…」

「「…」」

「…」

「「…」」

「…」

「「…」」

「…」

「「…」」

「…」

「「…」」

「…」

「「…」」

「…」

「「「…………」」」

そして、そのまま一時間が過ぎた。