「あとは、あいつの戦闘能力か…」

「言っとくが、俺は強いぜ?」

「「っ!!」」

固まった二人を見て吸血鬼はくつくつと笑った。

「怖がらなくてもいいんだ。ちょっと観察に来ただけだから」

「観察?」

「あぁ。ちょっと戦ってみないか?

帽子は消えないし、一方的な攻撃でいいしな」

「…」

「おいおい、戦闘の威力知りたいんだろ?」

「じゃあ…」

そういって平弥は相手を殺す気で思いっきり棒で殴った。


__パアン…

「!?」

「なんだ、こんな程度か。まあいい。

協力してくれてありがと」

片手を振って軽く会釈する。

そして消える吸血鬼に平弥と神奈は凍り付いた。

「あいつ、化けもんかよ…」


棒には、先ほど突かれた跡が残っている。

それは、鉄をももろともしない彼の攻撃力を物語っていた。