桜の出会い

一晩経って志波城に着いた。

「新兵衛殿、なにうえ同盟をお切りになりたいと。」
「草三郎殿、それはな...」
言いかけた所で新兵衛は望を見た。
「水、席を外してくれぬか。」
「わかりました。」
席を外し、志波城から見える景色を眺めていた。
「戦の世でも、いい景色見れるんだ。」
志波城の周りは草原で今は春。
桜の木が城を囲むかのように並んでいた。
現代でも見たことがない景色につい涙を一粒流れ出た。
すると後ろから声が聞こえた。
「そなたは相賀城の者か?」
振り向いてみると自分と同い年ぐらいの男の子が立っていた。
「はい、相賀城の水と申します。」
「そうでありましたか。私、竹下言六と申す。」
 
それが彼との出会いだった。

「お水殿は桜が好きなのですか?」
「はい、一番好きな花でございます。桜を見ていると今までのことがたくさん思い出されます。桜は年に一回しか花を咲かせません。まあ一年の振り返りみたいなものですね。」
「私もお水殿と一緒です。桜は桃の色で私の心を気持ちよくしてくれます。」
なぜかはわからない、でもこの人といるとすべてを打ち明けられそうな気がした。