~高校一年 夏~
半袖がまだ少し肌寒い頃、
私と優は出会いました。
きっかけはサイト。
あの頃の流行はもっぱらSNS。
顔が知らない人とも
仲良くなれるし
出会いも増える。
他校の子や先輩後輩、
いろんな人と知り合えて、
自分の顔を広げるには
もってこいの
高校生には必須のアイテム。
私もその流行にのってた一人。
でも私はみんなとは少し
SNSの使い方が違ってた。
男の人と知り合うため。
年上の彼氏が欲しくて
高校入ってお母さんに買ってもらった
携帯ですぐさまSNSに登録し、
それからはたくさんの男の人と
知り合った。
付き合ったりもした。
その全てが
20歳以上。
違和感なんてなかった。
車もお金も自由も
全てを持ってる大人の人。
そんな人と付き合えば
自分にハクが付くって自惚れてたの。
ピロリン♪
「初めまして!!」
優と出会った時も
そんな邪な気持ちだった。
好きとか
愛してるとか、
きっとそんな感情も
今までちゃんとわかってなかったの。
「初めまして!
私の名前は『彩』です。
よろしくお願いします♪」
優・・・
あなたは違ったね。
自分を犠牲にしてでも
私を一途に愛してくれた
少し大人げない人。
でも私には
とてもかけがえのない人。
優、あの時のこと、
私はいまだにはっきり覚えてるよ。
優は覚えてるかな?
これからもずっと、
私は忘れられそうにないよ。