恋愛未熟児

『出た、ひろのネガティブ発言。
そんなこと言ってたらいつまでたっても彼氏できないよ?』

奈々が眉間にシワを寄せて言った。


ガチャっと玄関の開く音がしたので、慌てて体を起こす
アルコールが一気に回った気がして、頭がぐわんとした


リビングの扉が開き、佳織がおかえりーと立ち上がった


「『『おじゃましてまーす」』』


佳織の彼氏、真司くんが帰ったきた
会うのは初めてではないが、やはり少し緊張する

あたしは別に人見知りってわけでもないんだけど



「あ、どーも。おじゃまされてまーす。」

いい人オーラがスーツを着てても滲みている
かおちゃんが幸せそうなのも無理はない

身長は普通(あたしよりは低い)
サラリーマン
顔もイケメンってわけでもないが、ブサイクではない

外見は至って普通だが、内面の人の良さが雰囲気で伝わってくる


『すいませんねえ、引っ越してそうそう食べ散らかしちゃって。』

あたしはそう言って、散らかったテーブルの上を片付けた。