恋愛未熟児

『ひろだって、夢があるじゃん。それだけで十分じゃない?
きっといつか現れるよ。』

右隣に座っていた翠も横になる

翠は2年で同じクラスになってから仲が良い
今は若手のお笑い芸人にハマっていて
彼のお笑いライブはほぼ欠かさず行っている

「翠はどーなのさ、そのお笑い芸人は?」

『そーゆーのじゃないもん。
それにもし変な気起こして、ライブ行けなくなるのが嫌。』

「それもそうだねえ...
にしても、彼氏遅くない?
かおちゃん家居心地いいから眠くなる〜
汚いけど〜(笑)」

『文句言うなら出てけ!』

空いた皿を持って立った佳織がキッとこっちを睨んで言った。

『でもこれでもかおちゃんにしたらだいぶ進歩じゃん?
高校のロッカーとかまじ悲惨だったもんね〜』

「あたしも汚かったけど、ロッカーから賞味期限切れたプリン出てきた時にはさすがに引いたよね〜(笑)
そういう、奈々ん家もそうとうヤバイけどな。」