「あ、そうだ。今年も行くの?お祭り」


お母さんが口に唐揚げをくわえながら言った。


「うん。今年は紗衣と行くつもり。」

毎年恒例の近所の夏祭り。
親友の紗衣と浴衣を着て毎年行ってるの。

「そっか。今年も彼氏さんと行くのかと思ってた」


__あ。そっか

去年の夏祭りは彼氏と行った。

はにかみながら手を繋いで。


その彼氏、健は一つ年上で
私なんて本当は好きじゃなくて。

紗衣の

"結月のことは遊びなんだよ!早く別れたほうがいいよ!ごめんね…。でも、結月のためだから。"

その一言で目が醒めたんだ。
すぐ別れた。

「ううん。…ちょっと!お母さん!ニヤニヤしないで!」


お母さんは私の顔を見ながらニヤニヤしていた。