「俺は、一ノ瀬拓哉(いちのせ たくや)。」

無表情なまま、

彼は言った。


「わ…私!

佐伯結月です!」

な…緊張する…


少しの間、沈黙が続いた。


「あ…の」


ガタッ

「もぉっ!拓哉ぁ!探したんだよ?!」


ものすごい勢いで
一ノ瀬君に飛びつくのは

「お…おい
やめろよ。ベタベタすんな。渚紗。」


「いいじゃん!うちら付き合ってるような
もんじゃんか!ねっ!」

「ちげぇよ…」


荷物を持って帰ろうとしたら

突然話しかけられた。

「あ、うち

北条 渚紗(ほじょう なぎさ)。

よろしくね!」


何か、なれないしい人。


「桜中通ってるの見たことあるんよなぁ…

あ、そうそう!えーと、結月ちゃんだ!


可愛い子だなぁってすぐ覚えたの!」


私でもドキってしてしまうくらい

可愛い笑顔でいってきた。