「ねえねえ‥‥あの人かっこよくない?」


「私も思った‼︎
ちょーイケメンだよね!」


「今年の新入生で断トツイケメンでしょ」


「いや、あれはここの学校でトップいけるレベルだよ絶対っ‼︎‼︎」




なんて周りの女子の声が聞こえてくる。


鏡ちゃんはどの角度からみてもイケメンだし、中学の時から身長もぐーんと伸びてモテモテだったなぁ。


バレンタインなんか鏡ちゃん家族から食べきれないっておすそ分けしてもらったっけ。


鏡ちゃん甘いもの苦手だからなぁ。



「おーっ!鏡夜じゃん‼︎
おっはー」


「奏(かなで)か。
おはよ」



奏くんとは鏡ちゃんの親友。


私は、すぐに鏡ちゃんの後ろに隠れる。


男の子がくると勝手に拒否反応が起きる。


奏くんはいい人だと思うけどやっぱり男の子だから無理なんだよね‥‥。



「相変わらずの男嫌いだね結乃ちゃん♪」


朝からテンション高すぎだよぉ‥。


「おい、結乃に気安く話しかけんな。
ビビってるだろ」


「ちぇー。
いいよな鏡夜は」


「は?何がだよ」


「だってよー、結乃ちゃん鏡夜にはベッタリじゃんかよ。
俺も結乃ちゃんみたいは可愛い子にベタベタされたーい」



私全然可愛くないし‥‥。


「はいはい。
俺らもう行くから」


「ねえねえ、鏡夜。
また高校でも演じるの?あ、れ」



「あー、多分。」




鏡ちゃんまた演じるんだ。


そう‥‥奏くんの言うあれとは、

鏡ちゃんは中学の時から王子様キャラを演じている。

本当は無愛想でそっけない毒舌な人だけどね。

何でそんなことをしてるのか
って聞いた時、そっちの方が楽に過ごせるって言ってたっけ。

例えば、先生の信頼されていれば授業をサボってもサボりだとは思われないし

あとは‥‥


「そっちの方がいざって時も結乃を守れるだろ」


って言ってくれたよね。



鏡ちゃん‥‥やっぱり鏡ちゃんは口が悪くても本当の王子様なんだね。