「おい、行くぞ。
早くしないと俺先行くから」



「あ、待って待って!
私も行く‼︎」



支度を終わらした鏡ちゃんと一緒に玄関をでる。




「秋ちゃん、行ってくるね‼︎」



「行ってらっしゃい。
鏡夜をよろしくね♪」




秋ちゃんというのは、鏡ちゃんのお母さん。
秋笑(あきえ)って名前だから私とか私の家族は秋ちゃんって呼んでる。


昔からのおとなりさんだから家族ぐるみで仲良し。


だから、産まれた時から鏡ちゃんは私のとなりにいたんだ。


鏡ちゃんと私は誕生日も偶然にも一緒。



「ねえ、鏡ちゃん‥‥」



「なに」



「私‥‥もう無理。
緊張しすぎて怖いくらいだよ‥」



高校に近づくたびに同じ制服を身に付けた生徒がパラパラと増えていく。



私はあることが原因で男の子とは目も合わせられないほどの男嫌いになってしまった。

男の子は絶対無理だけど、人間関係は同性だとしても苦手な私。

中学の時も、由梨(ゆり)ちゃんと鏡ちゃんにひっつき回ってた。

由梨ちゃんは小学校からの友達。

でも、由梨ちゃんとは高校が別々になってしまった。

由梨ちゃんは、バレーが上手でスポーツ推薦というもので結構遠い高校にいってしまったから。