「鏡ちゃぁーーんっ‼︎
朝だよ‼︎起きてー」
男の子とは思えないほど綺麗に片付いている部屋。
片付いているというよりは、殺風景。
その部屋のベッドでスヤスヤ気持ち良さそうに寝ている鏡ちゃんを起こすのは
私の日課なんだ。
「鏡ちゃーん⁇」
「んー‥‥」
鏡ちゃんは目をこすりながらだるそうに目覚める。
鏡ちゃんは相変わらず朝が弱いんだから。もう。
「鏡ちゃん‼︎
おはよっ」
むくっとベッドから起き上がった鏡ちゃんに笑顔で挨拶も私の日課。
「‥‥朝から、鏡ちゃん鏡ちゃんうるさい」
低い声でそう言われる。
鏡ちゃんは、いつからか言葉使いも目つきも悪い男の子になっていった。
「鏡ちゃん、今日高校の入学式だよっ。
早く準備してして!」
そう、なんて言ったって今日から私は
憧れの女子高生なのだ!
そりゃあ、まぁ、頭脳明晰な鏡ちゃんと同じ高校に行くのはとてもとても苦労しましたよ。
でも、鏡ちゃんと別々な高校なんて私には考えられないから鏡ちゃんの鬼指導のおかげでなんとか入学。