永遠の果て

 直樹はしばらく黙って下を向いていたけれど、突然、深く頷いた。
 目が合う。この瞳を見るのは、きっと今日が最後。

「かなわないな。詩織には」

 お互いに、笑顔で見つめ合う。繋がれた手は、やっと行き場を見つけて、自然と離れていた。

「太田に聞いたけど、結婚、するんでしょ?」

「あぁ。見合いしたんだ」

「おめでとう。奥さんを大事にしてあげて」

 私より、ずっと。
 心の中で付け足す。思ったよりも自然に、おめでとうと言うことが出来た。

「詩織こそ、幸せになってくれな」