永遠の果て

 私の涙を見ても、直樹は驚かなかった。繋がれた手は、放れるタイミングを失って、懸命に行き場を探している。

「ずっと、ずっと直樹が好きだった」

 溢れ出る想いは、やっと形になって口からこぼれ出す。

「私から手放したのに、誰と付き合っても、結婚しても、ずっと好きで、会いたくて、苦しくて仕方がなかった」

 私の目を見て、途中途中で何度も直樹は深く頷いた。
 大きな手のひらが、濡れて冷たい頬に触れる。 適度な温度が心地よい。

「俺だって、ずっと忘れられなかった。ずっと、詩織が好きだった」

 頬から、肩に手が移動するのと同時に、私は目を瞑った。