『まもなく、3番線に品川・東京方面行きがまいります。危ないですから…』 最寄り駅に近づくと、ちょうどあたしが乗る電車が到着する事を知らせるアナウンスと、近くにある踏切の音が聞こえた。 慌てて駅に走る。 改札を走り抜け、階段を駆け下り、ホームに着いた時、息を切らしたあたしの目の前で虚しくもドアが閉まった。 「はあ、はあ…っ」 久しぶりにダッシュしたせいで息切れはひどいし、髪もボサボサ。 ただでさえ今日暑いのに……。 額と首筋に汗が浮かんですべり落ちる。