「…どうかしましたか?」
「え…?」
「いや、さっきからずっと俺の顔見てるから、どうしたのかと思って」
…え……!
うそ、リンの事考えている間中、ずっと見てたんだ……!!
「ごっ、ごめんなさ…」
「どうして…泣きそうなんですか?」
「……え…?」
自分でも少し驚くくらい、弱々しい声が出た。
ほんの少し首を傾けた、彼のさらさらな黒い前髪が額の上をすべった。
……苦しい。息が苦しい。
リンじゃないのに、そんな事、とうにわかりきっているのに…。
声を聴くだけで、あたしの胸がどうしようもなく締めつけられて苦しい。
うまく酸素が入ってこない。


