「…どーしよ、席空いてるかな…」


あたしと同じ様にそれを見ていた隣の朱理がぽつりと言った。




見たところ、席はどこも埋まっていて空いていない様に思う。




「……あ、朱理並んでて良いよ、あたし席探してくる!」

「えー…、悪いわね、ごめん。お願い」



了解、と敬礼をひとつして急いで席を探しに行く。


広い分探すのも一苦労。歩き回って、2人分の席を探す。








………あ! あった!


1番奥に、幸いにも2人分の席が空いていた。良かった。





長蛇の列に混ざる朱理をちらちら確認しながら、会計を済ませた彼女を声と手で呼ぶ。