……そういう、事だったんだ……。
ずっとわからずにいた、岩淵くんがあんなにもあたしを気にかけてくれていた理由。
あたしは、こんな素敵な人に、助けてもらえたんだ…。
「……今日は、豊島さんの話が聞けて良かった。…彼の事も。豊島さんの気持ちを邪魔するつもりはないし、俺の気持ちを押し付ける事だってしない。…こうやって、一緒に時間を過ごせただけで、充分」
目の前に広がっていた夜景が滲んでいる事に気づいた。
もうすっかり暗くなっていたから、きっと星の様に綺麗に見えているはずなのに、ぼやけて全然見えない。
「俺のひとりごとおしまい。豊島さん、上見て」
「…え……」
言われるまま、上を向いた。…けれど、涙でなにも見えない。


