岩淵くんはその場に腰を下ろした。あたしも並んで座った。
芝生の上に座るなんていつぶりだろうなんて思いながら、再び夜景に視線を移す。こんな穏やかな気持ちになれたのは、いつぶりだろう。
「……これは、俺のひとりごとだから、聞き流して」
ふと、岩淵くんが言った。
「…え、あ、うん」
あたしが少し戸惑った返事をすると、岩淵くんはゆっくり話し始めた。
「…俺、豊島さんに一目惚れしたんだ」
「…え…」
…ひ、ひとめぼれ……? 岩淵くんが……あたしに……?? え……なんで……???
「たまには違う学食行こうと思って、友達と文学部の学食行ったんだ。食べてたら、豊島さんがいて、席を探しているみたいだった」
…あ、席空いてなさそうで、朱理の代わりに探して回っていた時かな……。


