ゴールまであと10メートル、 べちゃっと 杏は顔面から思いっきりこけた。 杏はなかなか起き上がれない。 「…立てない…も…痛い」 俺は何も言わない。 だけど内心は、 すぐにでも全身擦り傷だらけの杏を抱っこして 病院に連れて行ってやりたかった。 「も…走れないし…ヤダ…」 「……杏、 お前、これでいいのか!」 「……」 「 ほら、 大丈夫だぞ? 兄ちゃんがついてる。 」