君への距離~僕らの未来~





「ん…」




しまった、昨日はあのまま眠ってしまったようだ。






目を覚ますと、杏たちの部屋の床にひかれた布団の上にいた。






翼と杏に挟まれるようにあたしと赤ちゃんは真ん中に眠っていた。



翼、あたし、赤ちゃん、杏。





あたしは翼の寝顔をじーっと見てみた。



やっぱり格好いい。









「…おはよ、」




あんまりじーっと見ていたからなのか、翼を起こしてしまった。



「お、おはよう」



まだ眠そうな翼の顔がかわいい。






「昨日、翔太の夜泣き…泣き声うるさくなかった?」




「ううん、一回も起きなかったよ!」







「そっかぁ、良かった」





そう言って笑うと翼は杏たちを起こさないように昨日まとめた荷物と金魚を持って下におりていった。






あたしはそっと後をつけた。