あたしたちは氷のプールに沈められたラムネを一本だけ買った。
翼はさっきお酒をいっぱい飲んだからいらないみたいだ。
それをもってあたしが案内してあげた小さなお寺の境内に座った。
ここなら帰り道だし、人通りも少ないから翼の顔がバレる心配も少ない。
「翼、あけて!」
あたしがそういうと翼は笑って、ラムネの栓を押し込んだ。
からん、と瓶の底にビー玉の落ちる音がする。
「はい、どーぞ」
翼はニッと笑ってそれをあたしにわたす。
「…ひとくちあげる。あけてくれたお礼!」
あたしは自分がひとくちのんだラムネを翼にさし出す。
顔が熱くなった。
「ん?…ありがとう」
翼はふわっと微笑んでそれをひとくち飲んだ。
あたしは真っ赤な顔を見られたくなくて指輪のボタンを押してピカピカ光らせた。
あたしも翼もその光に当たって青く染まった。

