素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~

「夏香!こっちの資料も頼む!」

「了解!」




大樹から資料を受け取り仕事に没頭する私。
もう負けないって決めたから、絶対に立ち止まったりなんかしない。



私に対する冷ややかな視線は消えていないけど、絶対にこの人たちを認めさせてやる。
せかせかと手を動かしていれば、一瞬だけ鋭い視線を感じた。



ビックっと体が震え咄嗟にそっちを見ても誰もこっちを見てはいなかった。
気のせいだったのかな……?




「どうした?夏香?」

「あ……佐藤せんぱい。何でもないです!」




優しく微笑む佐藤せんぱいは私の肩を優しく叩く。




「何かあったら相談乗るからな」

「……ありがとうございます」




私は笑顔を浮かべ佐藤せんぱいを見る。


こんな優しい先輩に恵まれて本当に嬉しい。
ありがとうございます……佐藤せんぱい。