「あまり大人をからかうんじゃない」

「からかってませんよ?」




ニコッと笑いながら言えば盛大なため息が聞こえてくる。




「たいと……」

「あー!!」

「何だいきなり大声をあげて……」




橘部長の言葉を遮るように私の叫び声が開発室に響き渡る。
だって……だって!!




「綺麗な色が出来たんですもん!!」

「見せてみろ。
……凄いじゃないか!!」




橘部長はまたもや嬉しそうに笑顔を浮かべていた。



あぁ……。
この人は本当に化粧品が好きなんだ。
良い物を作りたいと本気で思っている。



この人となら……。
もしかしたら本当に……。


私の夢が叶えられるかも……。