素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~

私と橘部長は教会を後にした。
そして今は……。


「あ……あの……恥ずかしいです」

「可愛い奴だな」


目の前には余裕の笑みを浮かべた橘部長がいる。
ベッドに寝転ぶ私の上に覆いかぶさる橘部長。

えっと……私は何で橘部長の家で押し倒されているのだろうか。
状況を把握できない私は起き上がろうとすれば不敵な笑みを浮かべる橘部長にベッドへと寝かされる。


「橘部長……あの……近いです」

「……照れているのか?
顔が真っ赤だぞ」

「……」


どんどん顔を近づけてくる橘部長の顔。
唇と唇が触れそうになった時、橘部長の眼鏡が私の鼻にあたる。


「……邪魔だなこれ」

「あっ……」


橘部長はそう言うと眼鏡を外した。
眼鏡を外した橘部長って初めて見るかも。

“格好良い”
その一言がピッタリすぎて言葉が出ない。


「どうした?」

「えっと……格好良くて……」

「……」

「あっ……いつも格好良いですけど……その……」


戸惑っていれば橘部長の顔は見る見るうちに紅くなっていった。


「どうしたんですか?」

「……無自覚って恐ろしいな」

「え?」

「何でもない」


紅くなったり不機嫌そうになったり……橘部長は忙しい人だ。
でも、どんな表情の橘部長でも好きだけど……。